31 MAR 2025
Letters from Italy Vol.29
「Letters from Italy」ではみなさまに少しでも旅気分を味わっていただくべく、ミラノやフィレンツェの誰もが知る観光スポットから、最新情報やとっておきのスポットをジャンニ キアリーニのイタリア現地スタッフよりお届けいたします。
トスカーナ州ヴィアレッジョのカーニバル
2025年、再び、活気、創造性の祝福、伝統、そして地域社会の精神を持ち合わせた有名なヴィアレッジョのカーニバルが戻ってきます。
世界最大かつ最も象徴的なカーニバルのひとつとして知られるこのイベントは、トスカーナ州に位置する美しい海岸沿いの町ヴィアレッジョで開催されます。
このカーニバルは、イタリアとヨーロッパで最も重要なカーニバルのひとつです。
ヴィアレッジョのカーニバルが有名になったのは、そのユニークなストーリー、強いアイデンティティ、そして大きな宙に浮く山車のおかげです。
ヴィアレッジョのパレードの山車は、世界でも有数の大きさを誇ります。
2025年大会は、新たなテーマ、大迫力の山車、町中でのライブ・エンターテイメントなど、さらに華やかなものになることが約束されています。
町の海辺の遊歩道であるパッセジャータは、大規模なストリートパレードの舞台となります。ヴィアレッジョのカーニバルは5つの週末に渡って行われます。
このカーニバルの山車の主な材料は張り子、正確にはキャストコート紙です。1925年にヴィアレッジョの画家であり建築家でもあるアントニオ・ダルリアーノによって完成されたこの技法は、大型でありながら軽量の建造物を作ることを可能にしました。
粘土模型、石こう型、新聞紙、水と小麦粉から作られた糊が、この種の世界最大の見世物の材料です。
AN/ARCHIVE EVENT TWO:blue r/evolution
社会の変化と個人の信頼性の象徴の“ブルー(青)”の進化に捧げられた展覧会
ポリモーダはPitti Uomo 107にて、デニムとブルーの文化的、社会的、人類学的進化を探求する画期的な展示プロジェクト『AN/ARCHIVE EVENT TWO: Blue r/evolution』を発表します。
フィレンツェのポリモーダ・マニファトゥーラ・キャンパスで開催される今回の展示会は、歴史的な記憶、芸術的な革新、未来のビジョンを織り交ぜながら、ワークウェアとデニムの変幻自在な力を調査します。
インディゴ・ブルーは単なる色にとどまらず、深い象徴的・文化的意味を持ちます。
歴史的に排他性と精神性を連想させるこの色は、労働者、地域社会、社会運動を定義する色へと発展しました。
インディゴは、貴族と労働者、順応と反抗、伝統と革新といった相反するものの交わりを体現しており、個人と集団のアイデンティティを示す普遍的な目印となっています。
『blue r/evolution』は単なる展示会ではなく、文化的な対話です。
このイベントは、歴史的なアーカイブ、芸術的なインスタレーション、写真、衣服の展示を組み合わせることで、衣服と個人のアイデンティティ、そして現代の社会の変容との関係について考えるよう、来場者に訴えます。
ブルーの色合い、破れ、シミ、摩耗の跡が、着ていた人々の物語を語り、これらに埋め込まれた物語を保存します。
アメリカの炭坑夫のオーバーオールから鉄道労働者のズボンまで、囚人用のジャケットからミリタリーパーカーまで、それらには共通する要素があります。
この旅は、アイコニックなランウェイ作品を通してではなく、日常を生きてきた衣服が持つ感情を通してファッションを探求します。
19世紀後半から今日に至るまでの本物の品々は、時間と空間を超え、キャットウォークの華やかさとはかけ離れた人々の生活と絡み合っています。
これらの作品は、ただ「現れる」のではなく「存在する」ことを意識したものであり、ファッションを仰々しさではなく、アイデンティティや帰属意識を表現する鍵として呼び起こすものです。
次回の「Letters from Italy」もお楽しみに。
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